なぜ、あなたの「動機」が面接で重要なのか?
就職や転職の面接で、「あなたの強みは何ですか?」と聞かれたとき、どのように答えていますか?スキルや経験を羅列するだけでは、なかなか面接官の心には響きません。なぜなら、企業が本当に知りたいのは、あなたが「何にモチベーションを感じ、どのように貢献してくれるのか」だからです。
マクレランドの動機理論は、「達成動機」「権力動機」「親和動機」という3つの主要な動機が、個人の行動やパフォーマンスに大きく影響すると提唱しています。これらの動機は、私たちがどのような環境で力を発揮し、どのような目標に向かって努力するのかを示唆しています。
面接官は、あなたの言葉や振る舞いから、無意識のうちにあなたの主要な動機を読み取ろうとしています。そして、それが企業の求める人物像や、配属される可能性のある部署のカルチャーと合致するかどうかを見極めているのです。
「達成動機」が高い人のアピールポイント
達成動機が高い人は、目標を設定し、それを達成することに喜びを感じます。困難な課題にも臆することなく挑戦し、結果を出すことに強いこだわりを持っています。
面接では、具体的な達成経験を数字や事実を交えて語ることが効果的です。「〇〇という目標に対し、△△の施策を実行し、□□%の改善を達成しました」といったように、プロセスと結果を明確に伝えることで、あなたの達成志向をアピールできます。また、目標達成のためにどのような工夫をしたのか、どのような困難を乗り越えたのかを具体的に説明することで、よりあなたの熱意と能力が伝わるでしょう。
特に、IT・テクノロジー業界や営業・マーケティング職では、この達成動機が重視される傾向にあります。
「権力動機」が高い人のアピールポイント
権力動機が高い人は、他者に影響を与え、リーダーシップを発揮することに喜びを感じます。責任ある立場を好み、組織やチームを動かすことにやりがいを見出します。
面接では、チームやプロジェクトを牽引した経験や、困難な状況下でリーダーシップを発揮し、良い結果に導いたエピソードを語ると良いでしょう。「チームをまとめるために、〇〇のような働きかけをしました」「□□の課題に対し、△△の提案を行い、実行に移しました」といった具体例が有効です。
製造業やサービス業における管理職、あるいはITエンジニアのプロジェクトリーダーなど、組織を動かす役割においては、権力動機がポジティブに評価されることが多いです。ただし、単に「人を支配したい」という印象を与えないよう、チームの目標達成や組織貢献への意欲と結びつけてアピールすることが重要です。
「親和動機」が高い人のアピールポイント
親和動機が高い人は、良好な人間関係を築き、チームや組織の一員として貢献することに喜びを感じます。協調性を重んじ、周囲との harmonious な関係を大切にします。
面接では、チームでの協業経験や、他者との連携を通じて成功した事例をアピールしましょう。「チームの一員として〇〇の役割を担い、△△に貢献しました」「メンバー間の意見の相違を調整し、円滑なプロジェクト推進に貢献しました」といったエピソードが効果的です。また、顧客との信頼関係構築や、社内外とのコミュニケーションにおいて、どのように良好な関係を築いたかを具体的に説明することも有効です。
事務・総務職や、顧客との接点が多いサービス業、チームでの協業が不可欠なITエンジニアなど、多くの職種で親和性は重要視されます。あなたの協調性やコミュニケーション能力を具体的なエピソードで裏付けることで、企業文化への適応力もアピールできるでしょう。
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まとめ
マクレランドの動機理論を理解することで、面接官があなたのどこに注目しているのか、そしてあなたがどのように自分をアピールすれば効果的なのかが見えてきます。
あなたの持つ主要な動機を理解し、それが応募する企業や職種でどのように活かせるのかを具体的なエピソードと共に語ることで、面接官に「この人は、まさに我が社が求める人材だ」という強い印象を与えることができます。単にスキルや経験を羅列するのではなく、あなたの「動機」が、どのように未来の貢献に繋がるのかを論理的かつ情熱的に伝えましょう。
この理論は、あなたが自分自身の強みを深く理解し、それを最大限に活かすための強力なツールとなります。